第9回 全国障害者スポーツ大会
−− ときめき新潟国体 −−


報告: テツ


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開会式前日、伴走のS君と。

10月10日から同月12日までの3日間で開催された全国障害者スポーツ大会、通称全スポに、京都市代表選手の一人として参加しました。
同月8日に、新潟県に着き、9日が公式練習、13日に京都に帰ってきました。五泊六日の長い団体行動の生活は、修学旅行以来のように思います。
今年で、第9回を数えました。現在の全スポの前身があったことは、この程知りました。
全国から選手が集う大規模な大会、ビッグスワンという名の3万人収容可能なスタンドのある競技場、名誉な大会、夢の舞台に連れて行ってもらえて、本当に感謝しています。

さて、全スポに関わった始まりから書き出すと、長文になりますので、僕の試合を中心に書きます。ごめんなさい。
…時は、10月11日、台風18号が通過してから、やっと、新潟に、晴れ間が戻った日でした。
この日、いよいよ僕の出番となりました。1500メートル走と砲丸投げの2種目です。
11時10分すぎに、京都市チームの人たちに拍手で送られ、テント村のあるサブグラウンドから、関係者通路を使い、召集場所へ向かいました。
この後、かつて経験したことのない緊張感、それは、逃げ出したい衝動、震え、吐き気がしたのでした。
係員の先導で移動していくと寒気もおさまっていきました。スタートライン近くの出入口まで来ていたのか、外のざわめく気配がおおきくなりました。ああ、覚悟の時(トキ)がきました。

1500メートル、スタート直後 …これから走る僕等の方に声援が送られていました。伴走者の坂口君が、最初に、妻を見つけてくれて、手を振って応えました。それから、50メートル程ダッシュして、引き返してくると、いよいよ位置に着きました。7レーンでした。いつもする大きな呼吸を一つしました。
…「ヨッシャ」と言って、スタートはうまく出ました。
伴走者との呼吸が合い、ロープの振りは、新潟に来てから感じよくなっていました。前月の全京都よりも気持ちよくゴールできると思っていました。
この日は新潟に来てから、一番よい天気になり、最高でした。
走りは、7選手。一つカーブをした所で4か5番手くらいでした。
直線コースになり、位置を上げに一人追い抜き、そして、内側に入りました。
その直後、後ろのランナーから、僕の右のシューズのかかとを踏まれてしまい、シューズが脱げて、まさかの事態で、止まるに止まれず、30メートル程ぎこちなく走って、たまらず、止まりました。
僕が、シューズを踏まれた後、伴走者にうまく言葉で伝えられず、難しさも知りました。

1500メートル、2周目 …後方にいた選手が追い越していきました。焦りました。
……シューズをはきなおし、再び走り出したわけですが、悪い夢ならさめてくれ、順調に来ていたのにトラブるとは情けない、悔しいなあ、などと思いましたが、残り1000メートル以上を、もう必死で挽回するために走りました。
前の選手をどの辺りで抜き返したかは、覚えていません。力を惜しみなく出し切りました。
…陸上の格闘技と言われるくらい、まさに死闘でした。
1500メートルは、6分0秒31。頭の中で、いろんな思いがグルグルと回っていました。目標タイムは5分45秒以上に置いていたので、引き上げた時のみんなの応対が気になりました。

1500メートル、ゴール直後 それより、次に砲丸投げが待っていました。このあとの砲丸投げの召集場所に辿り着くのに手間取ったりしているところに、40才以上の3位を知らされました。

…右往左往して、休憩も入れず、砲丸投げの召集場所へ。ここから、またはしょります。

…2回試投、選手は順番がきたら、続けて3回投げて、よい記録だけが残ります。

ほとんどの人が10メートル以上の投げをしていました。僕は、結局、9メートル86センチ。練習や合宿で計測したものより、今回が上回りました。
練習してきた量は、少なかったです。決められた日にしても、2時間あれば、走りが1時間強、砲丸が30分位のものでした。コツコツ伸びてきて、10メートル越えするまで、もうすぐそこまで来ているのですが、クリアするのは、いつになることやら。

砲丸投げ、その1 砲丸投げ、その2

…さて、テント村に引き上げると、温かく迎えてもらい、銅メダルの披露です。レースの話や写真撮影をしてもらい、やっと元気が戻りました。

僕は自分の競技を終えたあと、残りの競技を応援させていただき、次の日の最後まで、感動を受けたり、悔しかったり、思い出が膨らみました。

…今回の全スポでは、かなり長い宿泊生活になるので、障害者の殆どが、また家族の方も、不安がありましたが、五か月にわたる練習期間に、指導者、役員の熱心で、親切丁寧な指導、助けを受け、信頼関係ができたから、新潟に行けたと思います。
本当に、参加させていただき、よかったです。息があがり、何度もしんどい思いをしたことも、大会の出来事も、全て今後の糧となると信じています。

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最終日、東京駅、某ラーメン屋前。

完 





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