…これから走る僕等の方に声援が送られていました。伴走者の坂口君が、最初に、妻を見つけてくれて、手を振って応えました。それから、50メートル程ダッシュして、引き返してくると、いよいよ位置に着きました。7レーンでした。いつもする大きな呼吸を一つしました。
…「ヨッシャ」と言って、スタートはうまく出ました。
伴走者との呼吸が合い、ロープの振りは、新潟に来てから感じよくなっていました。前月の全京都よりも気持ちよくゴールできると思っていました。
この日は新潟に来てから、一番よい天気になり、最高でした。
走りは、7選手。一つカーブをした所で4か5番手くらいでした。
直線コースになり、位置を上げに一人追い抜き、そして、内側に入りました。
その直後、後ろのランナーから、僕の右のシューズのかかとを踏まれてしまい、シューズが脱げて、まさかの事態で、止まるに止まれず、30メートル程ぎこちなく走って、たまらず、止まりました。
僕が、シューズを踏まれた後、伴走者にうまく言葉で伝えられず、難しさも知りました。
…後方にいた選手が追い越していきました。焦りました。
……シューズをはきなおし、再び走り出したわけですが、悪い夢ならさめてくれ、順調に来ていたのにトラブるとは情けない、悔しいなあ、などと思いましたが、残り1000メートル以上を、もう必死で挽回するために走りました。
前の選手をどの辺りで抜き返したかは、覚えていません。力を惜しみなく出し切りました。
…陸上の格闘技と言われるくらい、まさに死闘でした。
1500メートルは、6分0秒31。頭の中で、いろんな思いがグルグルと回っていました。目標タイムは5分45秒以上に置いていたので、引き上げた時のみんなの応対が気になりました。
それより、次に砲丸投げが待っていました。このあとの砲丸投げの召集場所に辿り着くのに手間取ったりしているところに、40才以上の3位を知らされました。
…右往左往して、休憩も入れず、砲丸投げの召集場所へ。ここから、またはしょります。