第23回 萩往還マラニック
− 70キロの部 −


瑠璃光寺の五重塔と山口100萩往還マラニックの横断幕の写真。 2011年5月4日(みどりの日)
報告: みきみき

 5月4日、朝6時14分。
肌寒いほどの気温のなか、大分の実家から応援に来た両親に見送られて、「無事戻ってこられますように」と祈るような気持ちで、瑠璃光寺(るりこうじ)をスタート!
お天気は晴れ。
風も少しあり、暑いのがにがてな私にとっては、絶好の「みきみき日和」!!
片道の35キロはおもに登りが多く、3.8キロほどアスファルトの道を走るとすぐに往還道に入りました。
けっこうな傾斜の山道は、石畳や砂利道、小さな溝や段差も多く、足元が小まめに変化するので気がぬけませんでしたが、危険を感じるほどでもなく登り進んでいきました。
往還道を分断してときどき国道が走っており、山道でちょっと疲れた足をほぐしつつ、道路は軽快に走りました。
朝の空気は澄み、やまや木の匂いは心地よく、通りかかった田んぼからは、まだ若い蛙が、ころころとこの時期にしか聞けないかわいい声で大合唱。
快調な気分に任せて、エイドでも豆腐やおまんじゅうなどをしっかり食べました。
まだまだ続く山の上り坂でも「行きの登りは、帰りの下り」と思って楽しむことができました。
途中、250を走っていた、なかなかのなかたにさんともすれちがうことができ、ほんの一瞬でしたが、とても嬉しい「再会」でした!
しかし、10時を過ぎたころだったでしょうか、三つ目のエイド(道の駅)を後にして、折り返し地点の萩城あとに向かって道路を7キロほど走っていたころ、気温が少しずつ上がってきて「このまま暑くなったらどうしよう」などと少し心配になりました。
片道35キロとはいえ、険しい道が多かったことで、ずっと遠くへきたようにも思われて、「今来た道を再び引き返すのかァ」と、このころには、多少うんざりしました。
そんなことを考えながら萩城あとに着いたのが11時10分ごろだったと思われます。
残念ながらリタイアしたやましたさんと、ジプシーくんと、いのさんが思いがけず迎えてくれて、ちょっと下がりかけた気持ちに釘をさしてくれ?いえいえ「励ましてくれ」、監視のもとでおにぎりもしっかり食べて、再び復路をスタート。

 みんなに元気をもらって走り出したものの、気温上昇と朝からの疲れで、道の駅までの7キロほどがまたしても長く感じました。
それでも、あおきさんの万全な備えに支えられ、蜂蜜やアミノバイタルをとったり、塩をなめたりして、まずまず元気に走りました。
食べることが、今回初めてウルトラに臨む私の最大の課題であり、「とにかく食べられるうちにしっかりと補給しなくては!」と、半ば義務のように、少しずつ口にしながら足を進めました。
食べこみの効果があったのか、再び往還道に入ると山の涼しさに気持ちがまぎれて、さほど疲れを感じなくなりました。
もちろん下りが多く、転倒しないようにと注意が必要でしたが、ここでも事前の山練習が生かされ、難なく距離を伸ばしていくことができました。
1箇所だけ長い長い峠があり周囲の人たちも声も立てずに、ただ黙々と足をうごかしていました。
聞こえるのは、鳥の声と、草を踏む足音だけ。
私も無心になって頂を目指しました。
ところが、この長い上り坂が終わるころ、あおきさんの足に痙攣が!
スプレーを振ったりストレッチをしたりと、その後はだましだましの道中となりました。
思えば、あおきさんと山を走ったのはこれが初めてでした。
走りながらではあまり固形物を食べることのできない私を気遣い、大量の食料を背負っての険しい往還道での初伴走ですから、そのご苦労には頭が下がります。
「ここで、あおきさんに倒れられては、私は一歩たりとも進めなくなるー!」っということで、時間に余裕があったので、そこから先はあまり急がずにいきました。
じみちに距離を稼ぎ、56.5キロのささなみでは、関門16時の約2時間前に通過。
同じ道とはいえ、朝とはまったく違う空気に包まれて、程よい疲れさえも心地よく、夕方の柔らかな日差しを浴びながら、怪我もなく、往還道を後にしました。

 道路に出てからは、いよいよ残り4.6キロ。
帰ってこられた喜びをひしひしと感じながら、今日1日を振り返ると、今朝から走っていたことが遠い記憶のようにも思われ、それでいて70キロも進んできたというような実感もわかず、なんだか夢のような時間でした。

みきみきちゃんと青木さんのゴール写真。 瑠璃光寺の五重の塔をバックに、あおきさんと一緒に、最後の坂を走って無事ゴール!!!
いのさん、なかたにさん、やましたさん、ジプシーくんが、みんなで待っていてくれました。
タイムは、11時間12分33秒。
のんびりと帰ってきたわりに、まだまだ余裕があり驚きでした。
レース中の安全確保は元より、時間配分から、食事の管理まで、すべてあおきさんが、いろんな意味で?「骨を折って」くださったおかげで勝ち取った完踏となりました!
あおきさん、申し分のない初ウルトラの良い思い出をありがとうございました!

 萩70を目指して、個人練習に協力してくださった皆さん、また、練習会で一緒に走ってくださった方々、そして、みきみきの初萩のレースの行方を気にかけてくださったみなさんに、心からありがとうございました!

山口100萩往還マラニック Official Web Site



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